Linuxでは、コマンドのマニュアルをはじめとする各種マニュアルをmanコマンドで検索することができます。
Linux実機での作業中などで、何か調べ物をしたいとき、本やインターネットへの接続環境があれば良いですが、そういったものが使えない場合は、manコマンドで調べるしかありません。

シェルスクリプトを作成する際にも、manコマンドは大いに役立つので基本的な使い方は覚えておきましょう。

manコマンドの基本的な使用法
man [オプション] [セクション] キーワード指定

下記は、lsコマンドについて調べる際のmanコマンド使用例です。

$ man ls

manコマンドで調べられる内容はLinuxコマンドだけではありません。例えば、「/etc」などのシステムディレクトリについても調べることができます。

 # man etc

manコマンドのオプション

manコマンドでは直接知りたいものが何も分からなくても、-kオプションを与えてキーワードを指定すれば、関連するものの一覧を表示してくれます。

# man -k 検索語句

manコマンドのセクション

manコマンドには、セクションというものが用意されています。セクションはマニュアルを用途別に分けたものです。
これを指定するには、キーワードの前にセクション番号を指定します。セクション番号は1～9までありますが、例えば、Linuxコマンドのセクション番号は1、ファイル形式のセクション番号は5、システム管理用のコマンドのセクション番号は8です。

セクション番号 内容
1[Linuxコマンド] lsやcatなどの基本的なLinuxコマンド
2[システムコール (カーネル関数)] openや、fork、read、writeなどの入出力に関連する関数等
3[ライブラリコール (システム関数)] printfなどの関数等
4[スペシャルファイル] デバイスファイルとも呼ばれるデバイスの入出力に関するファイル(/dev配下のファイル)
5[ファイル形式] /etcディレクトリ配下のhostsやpasswd、groupなどの設定ファイル
6[ゲームやデモ] プリインストールされているゲームやデモ
7[マクロ] boot（起動シーケンス）などのマクロ（複数のコマンドや命令をまとめてあたかも一つのコマンドにまとめているもの）
8[システム管理用のコマンド] shutdownなど管理権限で使うコマンド
9[カーネルルーチン] カーネルルーチン [非標準]

一例として、「passwd」というキーワードには、passwdコマンドとpasswdファイルが該当します。コマンドについて知りたい場合はセクション番号1を、ファイルについて知りたい場合は5を指定します。

$ man 1 passwd
$ man 5 passwd